福沢先生の処世主義と我輩の処世主義
ふくざわせんせいのしょせいしゅぎとわがはいのしょせいしゅぎ
初出:「実業之世界 第五巻第一号」1908(明治41)年5月
大隈重信約14分
書き出し
凡人主義の勝利者福沢先生に処世主義というべきものが有ったかどうか知らぬが、我輩には処世主義というべきものがない。一体処世上主義というのは定められる理屈のものでない。それを世人が処世主義とか何とかいうのはいわゆる講壇的のもので、テーブルの上から学生に講義をする時の事である。ところがすべて世の中の事は、学校の講義のような趣向には顕われて来ない。で処世主義などいうことは講壇ではいえるけれども、実社会には…
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