りょうがくつろうたいしのいちねんきにあたりて
初出:「禅道 第一二三号」1920(大正9)年12月5日
書き出し
月日のたつのは誠に早い、楞伽窟の遷化せられてから、もう一年を経過した。昨日今日のように思うて居たが、この分で進めば三年も七年も間もなく過ぎることであろう。そうして他人と自分と皆悉く「永遠」と云うものの裡に吸い込まれて行く。人生も意義があるような、ないような、妙なものである。「永遠」を「刹那」に見て行けば、刹那刹那に無限の義理があるとも云えるが。それでも刹那は水の泡のように次から次へと消えて仕舞う。…