青空文庫

「楞迦窟老大師の一年忌に当りて」の感想

楞迦窟老大師の一年忌に当りて

りょうがくつろうたいしのいちねんきにあたりて

初出:「禅道 第一二三号」1920(大正9)年12月5日

鈴木大拙14

書き出し

月日のたつのは誠に早い、楞伽窟の遷化せられてから、もう一年を経過した。昨日今日のように思うて居たが、この分で進めば三年も七年も間もなく過ぎることであろう。そうして他人と自分と皆悉く「永遠」と云うものの裡に吸い込まれて行く。人生も意義があるような、ないような、妙なものである。「永遠」を「刹那」に見て行けば、刹那刹那に無限の義理があるとも云えるが。それでも刹那は水の泡のように次から次へと消えて仕舞う。

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