はるふかく
初出:「都新聞」1924(大正13)年5月2、3、6、7日
書き出し
嘗て磯部というところへ行ったことがある。——上州のあの温泉の……二十九の春とおぼえている。——駒形にまだいた時分だ。みっともないから事の次第はいわない、とにかく、その時分、いまにして思えば空な話。——らちくちもない夢のような話をたよりに、わたしは、白痴みれんな毎日を送っていた。——寂しく、味気なく。——何をする張合もなく陰気そのもののような毎日を送っていた。その間で、ふっと、東京にいるのがいやにな…
19双之川喜41さんの感想
藤村と綺堂も 訪れたところときき 万太郎は 磯部温泉に ふと 旅立つ。 想像したような情緒とは かけ離れており 期待外れだった。 その後 夜寒という句に 結実する。