青空文庫

「左千夫先生への追憶」の感想

左千夫先生への追憶

さちおせんせいへのついおく

初出:「アララギ」アララギ発行所、1919(大正8)年7月

石原11

書き出し

左千夫先生のことを憶うと、私にはいかにも懐かしい気分が湧いてくる。あの大きな肥った身体、そしてみなりなどにかまわない素朴な態度、その平淡ななかに言い知れぬ深いところを湛えて我々に接せられたことなどに対し、私はどんなに懐かしさを感じているかわからないほどである。「馬酔木」がはじめて発刊せられたのは明治三十六年のことであった。それ以前から根岸派の歌に親しんでいた私はこれを嬉しく思いながら、先生のことを

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