青空文庫

「嫁取婿取」の感想

嫁取婿取

よめとりむことり

初出:「婦人倶楽部」1929(昭和4)年1月~12月

佐々木223

書き出し

子供の多い家庭「これ/\、俊一、二郎、じゃあなかった。英彦、いや、雅男、一寸その新聞を取っておくれ。そのお前の側にあるのを」と、山下さんはこれを能くやる。男の子を一人呼ぶのに、家中の名前を口に出す。細君も、「安子、清子、じゃあない。春子、あら厭だ。芳子、一寸来ておくれよ」とつい四人前呼んでしまうことがある。山下家は四男四女、偏頗なく生んだ。元来山下さんはこの頃の人達と違って、全然子供を欲しがらない

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