青空文庫

「村の成功者」の感想

村の成功者

むらのせいこうしゃ

初出:「現代」1928(昭和3)年9月~1929(昭和4)年2月

佐々木106

書き出し

山の中の山中村乗合自動車は又々坂へ差しかゝった。○○町の中学校から村へ帰る卓造君は隅っこに大きな体躯を縮めて居睡りをしていた。連日の学期試験が今朝終った。これから長い暑中休暇が始まる。「この切通が出来て大助かりですよ」と一時喋り止んだ老人が扇子をパチ/\させながら又やり出した。「以前はこゝを胸突と申しましたな」と中老が受けた。「然うですよ。ひどいところでした。それをガラクタ馬車で通ったんですから随

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