青空文庫

「観想の時」の感想

観想の時

かんそうのとき

――長歌体詩篇二十一――

――ちょうかたいしへんにじゅういち――

初出:「大觀 二月號 大隈侯哀悼號 第五卷第貳號」實業之日本社、1922(大正11)年2月1日

北原白秋27

書き出し

黎明の不尽天地の闢けしはじめ、成り成れる不尽の高嶺は白妙の奇しき高嶺、駿河甲斐二国かけて八面に裾張りひろげ、裾広に根ざし固めて、常久に雪かつぐ峰、かくそそり聳やきぬれば、厳しくも正しき容、譬ふるに物なき姿、いにしへもかくや神さび神ながら今に古りけむ。たまたまに我や旅行き、行きなづみ振さけ見れば、妻と来てつつしみ仰げば、あなかしこ照る日もわかず、暮れゆけば雲巻き蔽ひ、霹靂はためくさへに、稲光青の火柱

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