青空文庫

「日本婦道記」の感想

日本婦道記

にほんふどうき

萱笠

すげがさ

初出:「菊屋敷」産報文庫、大日本雄辯會講談社、1945(昭和20)年10月

書き出し

一「あたしの主人はこんど酒井さまのお馬脇に出世したそうですよ」厚い大きな唇がすばらしく早く動いて、調子の狂った楽器のような、ひどく嗄れた声が止めどもなく迸しり出た。「……お馬脇といえば武士なら本陣の旗もとですからね、足軽としてはこれより名誉なことはありませんよ、なにしろ酒井さまから直にお声をかけて頂けるんですから、その刀を取れとか沓を持てとか、そういったようにね、それからまた銃隊をさがらせろ、なん

2022/03/27

ba5194e78df6さんの感想

真心が伝わる、心癒される

2020/12/01

d872fab04744さんの感想

それなりに昔の人間だから気持ちはわからんでもない。 ただやはり21世紀の空気の中で読むにはいささか古い。 作者の小説に出てくる女性は奔放型と貞女型があるように思うがこれは後者。 昭和20年頃の空気では女は影のごとく男に沿うもの、かくあるべしということで共感が得られたものと思う。 しかし今となっては「ハッキリいえばいいじゃん」の一言で片付けられてしまう。 たった一言の嘘で知りもしない男の妻になり、男が死んだらその家に入る。 男の母にいったいなんの負い目があるというのか、あんたは元から自由の身じゃないか。 そう、もう今の日本人は昔の日本人とはまるで違うのだ。

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