青空文庫

「四日のあやめ」の感想

四日のあやめ

よっかのあやめ

初出:「オール読物」文藝春秋新社、1954(昭和29)年7月号

書き出し

一二月下旬の寒い朝であった。六七日まえからすっかり春めいて、どこそこでは桜が咲きはじめた、などという噂も聞いたのに、その朝は狂ったように気温がさがり、家の中でも息が白く凍るほどであった。——早朝五時ちょっと過ぎたじぶん、千世が居間で鏡に向っていると、家士の岩間勇作が来て「来客です」と告げた。もちろん戸外は明るくなっているが、まだ客の来る時刻ではなかった。「深松さまです、裏殿町の深松伴六さまです」と

2023/12/04

35a45a078dfbさんの感想

良人を私闘にかかわらせたくないという妻のかたい決意、それが良人を苦しめる立場に追いやることになってしまっても、自分の考えは正しかったと自分を失わなかった妻として、また、ひとりの人間としての強さを感じた。 結果的には良人も救われることになって、読者も救われ安堵する。 夫唱婦随も本当は妻がしっかりと自分を見失わないところに本当の意味があるのかもしれない。 武家社会とは言え妻の役割の重さを気づかされた。従順とは無思慮に夫に従うという意味ではない。これは現代にも通用しそうだ。

2023/11/21

鍋焼きうどんさんの感想

法の遵守は言い訳で、本音は夫への執心。理性よりも感情で動いた妻。男の矜持は言い訳で、大事に到らず一件落着への安堵か。義理情けよりも秩序回復を喜んだ良人。結果オーライは能天気。

2022/09/13

ba5194e78df6さんの感想

一気に読める、時を忘れる

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