ぶどうむもん
初出:「内蔵允留守」成武堂、1942(昭和17)年3月
書き出し
一宮部小弥太は臆病者であった。二十八にもなって、いまだに暗闇を独りで歩くのが怖かったり、夜半の上厠に怯えたり、他人の喧嘩を見るだけで震えたりするようでは、農夫町人としても臆病者の譏りはまぬかれないだろう。小弥太は小身ながら武士であった、然も寛永正保という、武家気質の最も旺盛な時代のことだから実に眼立った。……彼は物心のつく時分から、どうかしてもっと剛毅不屈な人間に成ろうとして、色々と苦心してみたの…
815aeaa7f8d2さんの感想
「覚悟」の文字が浮かびました
8eb05d040692さんの感想
良い話でした。