ぶらいはうたず
初出:「キング」大日本雄弁會講談社 、1936(昭和11)年3月号
書き出し
一浅黄色にくっきり晴れた空だ。春の遅い甲州路も三月という日足は争われず、堤には虎杖が逞しく芽をぬき、農家の裏畑、丘つづきには桃の朱と麦の青が眼に鮮やかだ。笹子川の白い河原を低くかすめ飛ぶ鶺鴒の声も長閑である——。大月の宿を出た街道は半里ほどすると爪先あがりに笹子峠へ一本道、右に清冽な流れをみながら行くこと三十町で初狩村へ入る、峠にかかる宿のことで茶店が三四軒、名物の力餅や笹子飴を売っている。「爺さ…
ba5194e78df6さんの感想
最後まで意外な筋書き
阿波のケンさん36さんの感想
作者の作品には何時も心打たれる。今回もそうだが話が上手くできすぎている様に思う。