とさのくにばしら
初出:「読物文庫」1940(昭和15)年4月号
書き出し
一「高閑さま、召されます」「…………」「高閑さま、高閑さま」連日のお伽の疲れで、坐ったまま仮睡をしていた高閑斧兵衛は、二度めの呼声ではっと眼をさました。……近習番岡田伊七郎の蒼白い顔が、燭台の火影に揺れて幽鬼のように見えた。斧兵衛は慄然として思わず、「どうあそばした、御急変か」と息を詰めながら訊いた。「いえ、お上がお召しなされます」「お召し、ああそうか」ほっと溜息をついて、斧兵衛は何度も頷いた。土…
043b10a9cfb2さんの感想
面白かった。