青空文庫

「討九郎馳走」の感想

討九郎馳走

とうくろうちそう

初出:「内蔵允留守」成武堂、1942(昭和17)年3月

書き出し

一「しばらく、しばらくお待ち下さい」兼高討九郎はそわそわしながら急に面をあげて云った、「ただいまお達しの御意、いまいちど仰せ聞けられとうございます」「その必要はない」老職水野主馬は、討九郎がそう云うだろうとかねて期していたようすで、あらぬ方へ眼をやりながら云った、「きたる六月より徒士組支配を免じ、馳走番仰せつけらる、それだけのことだ、わかったら退ってよろしい」「それは、その、御上意でございますか」

2026/04/06

ce72b9d7c7caさんの感想

山本周五郎のキリッと無駄の無い、硬筆書写の如き明瞭快活な筆致が冴え渡る短編佳作。 主人公討九郎のキャラクター造形が明快かつ痛快で、その言動一つ一つで物語を引っ張り読ませる。こう書いていて、ふと漱石の坊っちゃんの痛快さを思い出した。 仕事や会議に疲れた合間の休憩時間にお薦めの、リフレッシュに最高の一遍。

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