あし
初出:「週刊朝日」朝日新聞社、 1947(昭和22)年6月22日号
書き出し
一その葦たちは一日じゅう巨きな椎の樹のうっとうしい陰で風に揺られていた。将監台と呼ばれる丘の突端をめぐって、にわかに幅をひろげる川は、東へと迂曲しながら二十町あまりいって海へ注ぐ。川幅がひろがって大きく曲る左岸の、抉ったように岸へ侵蝕したところに淀みがあり、そのみぎわに沿って葦は生えていた。うしろは脆くなった粘土質のあまり高くない崖で、その上にはずんぐりと横に伸びた古い椎の樹が七八本並び、篠竹や灌…
8eb05d040692さんの感想
最後に伏線回収で切なくなる