きくづきよ
初出:「講談雑誌」博文館 、1944(昭和19)年10月号
書き出し
一「珍しい到来物があったのでね。茶を淹れてきましたよ」若いはしたに茶道具を持たせて、そういいながらはいって来た母親のようすを見たとき、信三郎はすぐになにかはなしが出るなと思った。珍しい菓子というのは砂糖漬けの杏子だった。「あなたがお帰りだというので、疋田さまから届けてくだすったんですよ、絢子どののお手作りだそうです、召上ってごらんなさい」「珍重なものでございますね」信三郎は、いわれるままに摘んでみ…
8eb05d040692さんの感想
面白かった。