青空文庫

「田園の憂欝」の感想

田園の憂欝

でんえんのゆううつ

或は病める薔薇

あるいはやめるそうび

初出:「中外」中外社、1918(大正7)年9月

佐藤春夫211

書き出し

I dwelt aloneIn a world of moan,And my soul was a stagnant tide,Edgar Allan Poe私は、呻吟の世界でひとりで住んで居た。私の霊は澱み腐れた潮であつた。エドガアアランポオその家が、今、彼の目の前へ現れて来た。初めのうちは、大変な元気で砂ぼこりを上げながら、主人の後になり前になりして、飛びまはり纏はりついて居た彼の二疋の犬が、

2022/02/18

阿波のケンさん36さんの感想

作者は武蔵野に転居した。田園風景が彼の神経を休めるはずだが返って彼を苦しめる。幻視、幻惑、幻聴が苦しめる。東京に帰りたい妻、飼っている2匹の犬、一匹の猫隣人行きずりの人までもが…。しかし私にはそれらを、つまり彼を苦しめるものを楽しんでいるのではなかろうかと思えてくる。

1 / 0