青空文庫

「山手公園の感触」の感想

山手公園の感触

やまてこうえんのかんしょく

都市の異化階級意識風刺的孤絶静謐

書き出し

山手の街の感じは公園の感じだ。自動車のない時代に山手を歩いた感じの記憶が若し私達に残つてゐたならば、それは公園に在る感じ以外のものではない。環境から来る感じ聯想から来る感じ、そのどちらをちぎつて持つて来ても、山手の街はそれ自体が大きな公園である。この山手公園にしても、公園に来たと云ふ感じが極めて薄い。些し大きな邸宅内の、やゝ広い庭園に過ぎぬからでもあり、大きな公園の中の或る部分であると云ふ雰囲気が

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