青空文庫

「脱線息子」の感想

脱線息子

だっせんむすこ

初出:「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月

佐々木287

書き出し

転地療養寿商店の独息子新太郎君が三度目の診察を受けた時、丹波先生は漸く転地を勧めてくれた。「山が好いでしょう。一月ばかり呑気に遊んで来れば直りますよ」と子供の頃から手にかけているから、新太郎君の容態を兎角軽く見る。新太郎君は又重く言う癖がある。今回は元来転地が希望だったので、既に去年の避暑の宿を頭に描いていたから、「海岸じゃいけませんか?」と註文をつけた。「海岸でも結構です」と丹波さんはニコ/\し

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