青空文庫

「負けない男」の感想

負けない男

まけないおとこ

初出:「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月

佐々木259

書き出し

堀尾の小旦那就職難といっても、その頃は世の中が今日ほど行き詰まっていなかった。未だ/\、大学即ち帝大の時代で、一手販売だったから、贅沢さえ言わなければ、新学士は何処かにはけ口があった。その証拠に、堀尾君の同期生は半数以上身の振り方が定っていた。それが卒業と共にポツ/\赴任する。○高以来六年間毎日顔を合せて来た連中も今やチリ/″\バラ/\になる。送別会が頻繁にあった。「おい。又明日の晩あるよ」と同じ

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