げいじゅつとしてのてつがく
初出:「中央公論」1906(明治39)年4月
書き出し
此頃は青年間に宇宙観とか人生観とか云ふ様な哲学めいたことが大分流行して、女学生までが哲学書を読むと云ふ噂であるが、雑誌屋の店先に数多く列べてある何々論とか何々観とか題する書物の中には、迷ひ込み様によつては随分当人又は社会のために迷惑の生ずるものも少なくない様に見受ける。斯様な際に当つて我等の如き自然科学を修め、直接に自然を研究しながら、傍ら哲学書をも好んで読むものが、如何に哲学を見て居るかを発表す…