青空文庫

「S先生に」の感想

S先生に

エスせんせいに

初出:「青鞜 第四巻第六号」1914(大正3)年6月号

伊藤野枝17

書き出し

余程以前から先生に何か書いて見たい気はありましたけれども私の書いたものなんか御覧になるときつとまた、あの、「フン」と鼻の先で笑はれることだらうと思ひますと嫌気がさして書く気にはなれませんでした。けれども今度こそは書いて見ます。読んで頂かなくてもかまひません、私一人で書いて見ます。私に対する先生のお心持ちが今どんな状態に在るか私には全然見当はつきませんけれども多分相変らず軽蔑してお出になることはたし

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