青空文庫

「吉野葛」の感想

吉野葛

よしのくず

初出:「中央公論」1931(昭和6)年1月~2月

書き出し

その一自天王私が大和の吉野の奥に遊んだのは、既に二十年ほどまえ、明治の末か大正の初め頃のことであるが、今とは違って交通の不便なあの時代に、あんな山奥、———近頃の言葉で云えば「大和アルプス」の地方なぞへ、何しに出かけて行く気になったか。———この話はまずその因縁から説く必要がある。読者のうちには多分ご承知の方もあろうが、昔からあの地方、十津川、北山、川上の荘あたりでは、今も土民によって「南朝様」あ

2024/08/27

1906e90293cfさんの感想

吉野に旅行に行ったが、真夏であり、桜も紅葉も無くて、何となく拍子抜けした帰途、「とても良い」とのネット評判から、帰りの新幹線の中で読んだ。 結果、とてもよかった。 文章が秀逸すぎる。作者の端麗な筆致により、淡かった私の吉野の印象が、ぐっと濃くなり、味わい深い旅にしてしまった。 紀行文が、いつの間にか、伝説、物語となって、太古から南朝の吉野、明治大正の吉野へと繋がっていく。 読後、爽やかな秋の吉野が水面できらめいている。

2019/10/28

19双之川喜41さんの感想

 旅行記は 内容的に 薄っぺらなものが多い。 本編は 違う。 歴代探訪のように 南朝時代の時代背景をつてに 歌舞伎▫和歌▫和紙を 織り込み 話しは進む。 堪能した。

2017/11/29

b9ef941530ccさんの感想

谷崎潤一郎の吉野葛は、谷崎潤一郎が吉野川上流へ旅する話。奈良から大阪へ女中奉公へ行った女の話とか、谷崎潤一郎の回想録か。

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