青空文庫

「思い出す職人」の感想

思い出す職人

おもいだすしょくにん

初出:「工藝 第百八号」1942(昭和17)年1月15日

宗悦13

書き出し

亡き一職人のために森数樹兄と一緒であった。昭和九年九月一日、奥羽地方民藝調査の折、秋田を訪うた。だがこの古い町に期待したほどの品物はなかった。黄八丈はあるが、本場のにはどうしても劣る。角館でも作るが、もう生産が薄い。漆器は能代に名を奪われている。(もっともこの黄味を帯びた春慶は、色や塗の関係から上品であっても弱々しく、形も冷たく、同じ品ならまだしも飛騨高山産の方が力がある)。秋田の町では岩七厘が目

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