青空文庫

「女記者の役割」の感想

女記者の役割

おんなきしゃのやくわり

初出:「文芸倶楽部」1930(昭和5)年3月

野村胡堂43

書き出し

一「オヤお揃いだネ」カフェー人魚の闥を押して、寒い風と一緒に飛込んで来たのは、関東新報記者の早坂勇——綽名を足の勇——という、筆より足の達者な男でした。「早坂君かい、どうだい景気は」声を掛けたのは、高城鉄也という、東京新報の花形記者で、足の勇とは商売敵に当るのですが、敵愾心よりは友情の方をどっさり持って居ようという、優秀な感じのする若い男でした。「ボーナスかい、いやもう、とても費い切れないほど貰っ

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