青空文庫

「悪魔の顔」の感想

悪魔の顔

あくまのかお

初出:「文芸倶楽部」1930(昭和5)年10月

野村胡堂39

書き出し

物騒な話題「そんな気味の悪いお話はお止しなさいませ、それより東京座のレヴィユーが大変面白いそうじゃ御座いませんか」と話題の転換に骨を折って居るのは、主人石井馨之助氏の夫人濤子、若くて美しくて、客が好きで物惜みをしないというので、苟も此邸に出入する程の人達から、素晴らしい人気のある夫人でした。が、その美しい夫人の魅力を以てしても、其晩の話題ばかりは、何うすることも出来なかったのです。贅沢な接待煙草の

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