青空文庫

「四十年の回想」の感想

四十年の回想

よんじゅうねんのかいそう

『民藝四十年』を読んで

『みんげいよんじゅうねん』をよんで

初出:「民藝」1959(昭和34)年5月号

宗悦30

書き出し

『民藝四十年』というのは私の著書なので、自分の本を読んでその感想なり、当時の事情なりを書くのはおかしな事だとも思える。病床生活でもしていなければ、こんな閑文を想い立つ機縁はなかったかもしれぬ。しかし今度の私の場合は次の二つの事情のため、さながら他人の著書を読むのと余り変りがなかった。この本の出版の交渉を受けてからまもなく私は中風で倒れ、一時は生死の程も分らぬ事情にあった。ところが出版社からは督促を

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