青空文庫

「正直者」の感想

正直者

しょうじきもの

初出:「新著文藝 第一卷第四號」弘文社、1903(明治36)年10月1日

書き出し

見たところ成程私は正直な人物らしく思はれるでせう。たゞ正直なばかりでなく、人並變つた偏物らしくも見えるでせう。けれども私は決して正直な者ではないのです。なまじ正直者と他から思はれたばかりに容易ならぬ罪を今日まで成し遂げて生涯の半を送つて來たのであります。鏡に對へば私にも直ぐ私自身の容貌が能く解ります。私の顏には角といふものがありません。冴えた色がありません。眉毛が濃く、頬鬚《ほゝひ

2025/07/19

艚埜臚羇1941さんの感想

  何にたいして  正直なので  正直者と されるのか  人によって それぞれなのは ごく当たり前の 事ながら この文章は 結構ややこしい。下宿屋の娘と いい仲になるのだが 周りのものが いろいろと お膳立てを こころみるけど それに 乗らない。娘さんが やきもきしても 彼は 意に かいさない。簡単にいうと 優柔不断なところが 性格の 中心を 成しているように 見受けられる。春情を 充たしたあとの 虚脱感から 支配された よくあるお方と 感じた。

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