青空文庫

「夜店ばなし」の感想

夜店ばなし

よみせばなし

初出:「婦人公論」1931(昭和6)年7月

書き出し

*……大風呂横町と源水横町との間の、不思議とその一つにだけ名のなかつた横町の角に荷を下ろした飴屋のちやんぎり。……そのちやんぎりの一トしきりの音の止んだとき、両側の、どこの屋根の上にも、看板のかげにも、勿論広い往来のどこの部分にも、そのときすでに日のいろは消えてゐた。そして両側の、茂り交した柳の木末に早くも、「夕暮」は下りた。……といふことは、蝙蝠がとんで、水のやうに澄んだ空に早くも星の瞬きが生れ

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