銭形平次捕物控
ぜにがたへいじとりものひかえ
138 第廿七吉
138 だいにじゅうしちきち
初出:「オール讀物」文藝春秋社、1942(昭和17)年11月号
野村胡堂約30分
書き出し
一「親分、変なことがありますよ」八五郎のガラッ八が、長い顔を糸瓜棚の下から覗かせたとき、銭形の平次は縁側の柱にもたれて、粉煙草をせせりながら、赤蜻蛉の行方を眺めておりました。この上もなくのんびりした秋のある日の夕刻です。「びっくりさせるじゃないか、俺は糸瓜が物を言ったのかと思ったよ」「冗談でしょう。糸瓜が髷を結って、意気な袷を着るものですか」ガラッ八はその所謂意気な袷の衣紋を直して、ちょいと結い立…
2020/08/18
19双之川喜41さんの感想
今なら LINE を使って連絡するのを その頃であるから おみくじを結びつけておいて 連絡を取り合う趣向である。少し込み入った お家騒動を巡る殺人事件で 当時の吉田茂総理大臣が 寝酒代わりに 愛読したと伝えられているけど 激務の クールダウンに お誂え向きと感じた。
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