もじにたいするびんかん
書き出し
此頃の発句を作る人ほど、文字に対して敏感を欠いてゐるものも少なからう。文字に対する敏感——こゝに一つの句があるとする。その句の存在は、耳に聞く前に、まづそれが眼に訴へられるものである事を考へなければならない。その眼にうつたへられる場合、その文字を選ばない事によつて、其の句の持つてゐるものを——感じをハッキリ伝へることの出来ないことが屡々ある。趣向がよくつてもそれはいゝ句とはいへない。調子がよくつて…