青空文庫

「萩」の感想

はぎ

書き出し

おやくそくの萩の根、いつでも分けてさし上げます。おついでのせつ御来園まち上げます、と百花園の佐原平兵衛君からはがきが来た。四月のはじめのことである。……さういはれたからとて、右からひだり、おいそれとすぐ出かけて行けるいまの身の上ではない。……そのまゝ、返事も出さず打捨りッぱなしにしておいた。と、その月のなかばすぎ、田圃さんこと沢村源之助さんが死んだ。たまにしか逢ふ機会はなかつたものゝ、わたくしにす

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