青空文庫

「茂吉の一面」の感想

茂吉の一面

もきちのいちめん

初出:「図書」岩波書店、1957(昭和32)年11月

宇野浩二13

書き出し

私は、これまで斎藤茂吉についてはいろいろ余り書きすぎたので、今、いくら鈍な頭をひねっても、どうしても書く事が浮かんでこない。さて、私の手もとに、『斎藤茂吉全集』の書簡篇に自分の持っている茂吉の手紙と葉書を提出してから後に図らず或る本にはさんであったのを見つけた、二通の茂吉の葉書がある。その一通は、スタムプによると、昭和十一年の一月三十一日(午後零時——四時)で、富士山を図案化した赤色の壱銭五厘切手

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