青空文庫

「恩師」の感想

恩師

おんし

初出:「現代」1926(大正15)年4月

佐々木17

書き出し

私が入学した頃の卒業生はビリコケでも羽が生えて飛んだ。多少成績が好いと引っ張り凧の形だった。首席で出た従兄の如きは口があり過ぎて選択に迷った。「兎に角面会丈けはしてやらないと推薦者の感情を害するからね」と言った調子で、頼むよりは断るのに骨を折ったものである。然るにその翌年からソロ/\売れ口が悪くなった。続いて年々余るという噂を耳にしたが、此方の卒業までには未だ間があるから、川向うの火事ぐらいに考え

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