青空文庫

「別れ霜」の感想

別れ霜

わかれじも

初出:「改進新聞」1892(明治25)年3月31日~4月10日、4月12日、14日~17日

樋口一葉119

書き出し

第一囘莊子が蝶の夢といふ世に義理や誠は邪魔くさし覺め際まではと引しむる利慾の心の秤には黄金といふ字に重りつきて増す寶なき子寶のうへも忘るゝ小利大損いまに初めぬ覆車のそしりも我が梶棒には心もつかず握つて放さぬ熊鷹主義に理窟はいつも筋違なる内神田連雀町とかや、友囀りの喧しきならで客足しげき呉服店あり、賣れ口よければ仕入あたらしく新田と呼ぶ苗字そのまゝ暖簾《のれ

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