きんじしだんすんかん
初出:「四季」1935(昭和10)年2月号
書き出し
詩論か何かさういつた風のものを書けと云はれるたびに、書くことはいくらでもあるやうな気持と、書くことは何にもないやうな気持に襲はれます。さて暫く案じた揚句、大抵はお断りすることとなるのでありますが、今もよつぽどお断りしようかと思つた所でありました。人によつて色々異ることと思ひますが、私は詩に就いては自分に分るやうにだけは考へますが、それを人に分らせようとするや大変骨が折れます。而も骨を折つた結果は、…