青空文庫

「午前一時に」の感想

午前一時に

ごぜんいちじに

書き出し

やつと独りになれた!聞えるものはのろくさい疲れきつた辻馬車の響ばかり。暫くは静寂が得られるのだ、安息とは行かないまでも。暴虐をほしいまゝにした人間の顔もたうたう消え失せた、俺を悩ますものはもう俺自身ばかりだ。やつと俺にも闇に浸つて疲を休めることが許されたのだ!まづ、扉の鍵を二度まはす。かうして鍵をまはすと、俺の孤独が増すやうだ。現在この世から俺を隔てゝゐる城壁が固くなるやうだ。怖ろしい生活だ!怖ろ

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