青空文庫

「旅の絵」の感想

旅の絵

たびのえ

初出:「新潮 第三十年第九号」1933(昭和8)年9月

辰雄34

書き出し

竹中郁に……なんだかごたごたした苦しい夢を見たあとで、やつと目がさめた。目をさましながら、私は自分の寢てゐる見知らない部屋の中を見まはした。見たこともないやうな大きな鏡ばかりの衣裳戸棚、剥げちよろの鏡臺、じゆくじゆく音を立ててゐるステイム、小さなナイト・テエブルの上に皺くちやになつて載つてゐる私のふだん吸つたことのないカメリヤの袋(私はそれを何處の停車場で買つたのだか思ひ出せない)、それから枕もと

2021/04/04

19双之川喜41さんの感想

 むしろ 随想とでも言うべき文章と思われる。 浜の小さな旅館から 外人墓地や中華街を 巡り歩く。 宿に置いてあったドイツ語の本を読みとき 堀は 自分の気持ちから離れた内容だろうと思っていたけど 獨逸語は呪詛の文字であり 自身の気持ちさながらであることに気づく。

1 / 0