ありとあらゆるわがおもい
初出:「明星 未歳・一」1907(明治40)年1月
書き出し
ありとあらゆるわが思、「愛」と語りて弛なくその種々の語の數いと繁きひといろは、勢猛にわれをしも力の下に壓さむとし、またひといろは勢を誇り語りて、らうがはし。あるは望を抱きつゝ、悦われにあらしめつ、あるは頻にわれをしも憂ひ悲しましむれども、「憐」仰ぐひとことは、すべての思皆おなじ、心の底に潛みたる「恐」によりてふるひつゝ。さてはいづれの思をば、頭の心と定むべき。語り出むと思へども、語らふべきを吾知ら…