はは
初出:「スバル 創刊号」1909(明治42)年1月
書き出し
わが生の奧深く、微かなる聲のわれを呼ぶを感ず。當來の命よ、眠れるわれを覺さむとして來るは汝か。嗚呼、命、新らしき命……わが内臟はとどろきぬ、岸破と跳りぬ。そはなれが呻吟の聲か接吻か。なれこそは未知なれ。あるは恐る、悲に絶望に捧げむと、わが血もてなれを養ひ、わが心もてなが心を形造るを。しかすがに此の手を延べて、靜かなる慰撫の手振優しく、命に醉ひしわれは笑ふ、力の夢、美の夢おもひ。我汝を愛す、我汝を招…