柳宗悦氏の筆蹟を通じその人を見る
やなぎむねよししのひっせきをつうじそのひとをみる
――名論の逆を行く氏の書――
――めいろんのぎゃくをゆくしのしょ――
北大路魯山人約4分
書き出し
柳さんの書かれた手紙の字、すなわち、その書というものは、遺憾ながら私の見たところによると、いわゆる氏の理想とされる民芸の感覚からは遠く離れたものである——と断ぜざるを得ない。民芸の美はなんといっても無邪気で、素直であるというところにある。有心の影を宿してはいけない。作意の濁りがあってはならない。柳さんの書、果して無邪気であるだろうか、素直であるだろうか、または無心であるだろうか。柳さんほどに、その…
2025/03/10
8769e3f419adさんの感想
字は体を表していてほしいという魯山人の願望。それもわからなくもない。が、多くの美に触れた柳宗悦の美意識は民藝100%でもないだろう。様々な美のエキスが混ざり、自分を律して書いているような字に感じた。ともあれ、パソコンが存在しない時代は、手書き文字の意味合いも今より断然濃い。字に興味があるので味わい深いエッセイでした。
1 / 0