青空文庫

「月あかり」の感想

月あかり

つきあかり

仲村1

書き出し

青いおほきい船にのつてゆかう。ほんとうに痩せてしまつたぼくの肩あたらしい紺飛白ばかり匂ひがたかいよ。月あかりは胸から背なへぬけてしまつたほそながい影ひとつぼくのうしろへ映つてゐやしない。たゞ青くつてしづかな航海はほんとうにこころぼそい楽隊ずきのペンギン鳥が氷の島に月のしたに並んでゐたつて陽気な唄も銀笛ひとつ持ちあはしてはゐないのさ。月あかりの向ふにみんなみんな消えていつた弟のやつも母も友だちも消え

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