しとししゅう
書き出し
何よりも僕はその表題が好きだ。検温器と花。そつくりこの句を、この詩集のなかに挿入してもいゝ。すくなくとも駄作寡婦などを巻中においておくよりも。作者は短詩のための短詩はとらず、と云ふやうなことを巻末に書いてゐるが、この短詩は所謂寡婦の愚劣なる概念を常識を、たゞ一行に縮図したに止つてゐる。曰「暗く湿つぽい三和土の上で狆が※をした」どんな男でも寡婦と云ふと、小奇麗な格子、三和土、そして狆を想起する常識を…