ぜにがたへいじとりものひかえ
150 槍の折れ
150 やりのおれ
初出:「文藝讀物」文藝春秋社、1943(昭和18)年11月号
書き出し
一「八、何處の歸りだ。朝つぱらから、大層遠走りした樣子ぢやないか」錢形の平次は斯んな調子でガラツ八の八五郎を迎へました。「わかりますかえ親分、向柳原の叔母の家から來たのぢやないつてことが」八五郎の鼻はキナ臭く蠢めきます。「まだ巳刻前だよ、良い兄さんが髷節に埃りを附けて歩く時刻ぢやないよ。それに氣組が大變ぢやないか。叔母さんとこの味噌汁や煮豆ぢや、そんな彈みがつくわけはねえ」「まるで廣小路に陣を布い…
55035ba6b157さんの感想
はかなくも消え行く命には、お縄はかけれない。そんな言葉がよく似合う最後だったと思います。
aaa6ce116d69さんの感想
昨今のミステリーなら小僧がシリーズの軸になりそうな展開。