銭形平次捕物控
ぜにがたへいじとりものひかえ
297 花見の留守
297 はなみのるす
初出:「オール讀物」文藝春秋新社、1953(昭和28)年3月号
野村胡堂約37分
書き出し
一「親分、向島は見頃ださうですね」ガラツ八の八五郎は、縁側からニジり上がりました。庭一杯の春の陽ざし、平次の軒にもこの頃は鶯が來て鳴くのです。「さうだつてね、握り拳の花見なんかは腹を立てゝ歸るだけだから、お前に誘はれても附き合はねえつもりだが——」平次は相變らず世上の春を、貧乏臭く眺めて居るのでせう。「へツ、不景氣ですね、錢形の親分ともあらうものが、——。駒形の佐渡屋が、三日に一度でも、七日に一度…
2023/12/17
09a4f8b7dfdaさんの感想
人の言動は木霊のように帰って来る。
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