ひろったし
――或る人に告ぐる――
――あるひとにつぐる――
初出:「旭川新聞」1923(大正12)年8月5日
書き出し
なぜか知らそぞろ歩みに誘われて私もお祭りに加わります誰ひとり街はずれのお宮へなぞゆくものですかみんなはこうして涼しい夏の夜の風を浴びながら当どもなく華やかな灯の下をさまよいます。*師団道路なんて何て無意味な名前でしょう面白可笑な人にもあい一寸横丁へよれてごらん音もない光りもない夜半の神秘がねています。未来派ならば何と表現するでしょう女、首、しな、ひとみ、赤坊男、香水、めがね、煙草花電気、太鼓、かね…