ふみづきのひとひ
書き出し
黒檀のみどり葉末に、そよ風ながう滑りて、自然の魂塊藍に薫りとぶ真夏の昼。金糸雀にうまゐ醒めて、夢の世に追ひわびたる、やわらぎの霊の華をいま紫陽花にみとめつ。昨夜詩に寝ね足らぬ瞳細ういと細う、わが世永久にかゝらばと、おもひ入る、あゝ夢心地。この刹那のたましひを黄金の龕にひめて、ひと日だにいつき得なば、あゝ我ぞ詩のやさ男神。底本:「沖縄文学全集第1巻詩※」国書刊行会1991(平成3)年6月6日第1刷入…