青空文庫

「焔の后」の感想

焔の后

ほのおのきさい

書き出し

気も遠く世も消え/\や丑三つの森の奥の白檀ほのにくゆり木薩地しづき頃ほひ。魑魅が気夢にふれて孵りし我かの心地。皐月闇霊気ばしる夜半の戸に額を垂れてあゝ堪へ難き胸の狂火。雛よばふ焼野の雉子の闇睨む眼かきらに燃え飛ぶ野火の遠火の青火魂——あなやの刹那。魄霊ゆらに揺ぎつ讃歌咽喉をあふれて狂ひ心地、小手招き、いと深き闇のをちに認め得し小さき焔の后。五十年のわが歌の世を上下の永劫にうるはしくも霊妙く。不滅の

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