青空文庫

「秋の一夕」の感想

秋の一夕

あきのいっせき

書き出し

あゝ終の夕は来りぬ、天昏に地昏にさはなる不浄はもこゝに亡ぶか、洗礼女——河原の葦に法涙の露無量光、新らしき生命の慈相——十夜法会の跡さびしき、天台の寺院の堂に、いからしく波うつ霧や、仏龕の虫ばむ音は、悲しとも、これも自然が法の座へ辿る足音ぞ、きけ葦のさなす小琴に、霊のうた『血汐は白し血は白し、こや敬虔の古瓶の封を破らず時をまち考え伏していまぞいま『自然』に浸す、白き血に映れ大天、白き血を吸へや大地

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