たび
初出:「ながれ」1935(昭和10)年4月、5月
書き出し
旅森川義信渡り鳥の様に旅をしてみたい時がある雲の様に旅をしてみたい時がある風のままに漂々と旅をした俳人芭蕉を憶ふ病の床にあれば一人旅を欲する——束縛された人生を思ふからである葬り去られた夢を思ひ出すに耐へられないからであるそして吾今いたつきに泣く明日のない人間だからである——旅を想ふ渡り鳥を思ふ雲を芭蕉を……底本:「増補森川義信詩集」国文社1991(平成3)年1月10日初版発行初出:「ながれ」19…