青空文庫

「季節抄」の感想

季節抄

きせつしょう

〔梢が〕

〔こずえが〕

初出:「裸群 4号」1938(昭和13)年12月

書き出し

※梢が空にとどいてゐる美しい樹々よ花の咲かない…………花はなくともああせめてものわが願い※樹々の編む光りのハンモツクに僕はつつましく腰をおろす風が静かにひかるときゆれないハンモツクで僕はそつと時間をみ失ふ※小さな口をあけてぽくぽくと駆けてくる波頭よさうして何も彼も洗ふがいい…………貝殻の中の小さな海にも冷い空が匂ふやうに光る※青い塔の半円形も消え匂ひの向ふへ花がこぼれた重たい風船のやうに暗い秋の陽

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